ダリアの神か妖精か
日本に流通するダリアのおよそ7割を生み出す育種家、鷲澤幸治(わしざわこうじ)さん。
1987年、秋田市雄和の秋田空港近くに「秋田雄和ダリア園(現 秋田国際ダリア園)」を開園。
今や国内市場に流通する品種の大半が鷲澤さんが生み出したダリアで占められています。人呼んで「ダリアの神か妖精か」。
代表的な品種は「黒蝶」「ミッチャン」「ポートライトペアビューティー」等。「ナマハゲ」シリーズは、すべて鷲澤さんのオリジナル品種です。
花は文化
育種家と言うのは、花の品種改良をして新品種を生み出す人のこと。
「こんな色のダリアが生まれるであろう」と想像し易い、人の手による受粉をさせる方法をあえて取らない鷲澤さん。その育種法は、虫に力を借りるという方法。
人の手による受粉を「それはナチュラルではない」と言い、あえて「虫に任せる」=「偶然を求める」果てしなくロマンしかない方法をとっているのです。
思った花が必ずしも生み出されるわけではなく、何万通りもある偶然の中か思い描く花を追い求めていきます。
そして鷲澤さんは、消費者のニーズに合致するかどうかを見極める感覚も持っています。
これが最大の武器。
その瞬間を見落とさない「目」と「心」を併せ持つ神様は「完全なものはない、だからおもしろい」とおっしゃっています。
裸足になって土にまみれ、汗を流し、畑のわきに建てた小屋で寝泊まりし、取りつかれたようにダリアの育種にのめり込み、取り戻せない想いと共にここにあるダリアが生まれてきているとしたならば、ダリアが人を感動させる花だと言うこともうなずけるのです。
かつてダリアは、日本ではお供え用にしか見出すことが出来ない、小さいものでした。それを、イベントや結婚式などの晴れの日を彩る人気の花に押し上げた人。
それを手にしてみたいと憧れを抱かせる花。
「花は心を豊かにする」「花は文化」だと言い、「ダリアが幸せになってくれたら」とおっしゃっています。
そんな鷲澤さんが生み出すダリアには、他の花にはない芯のある光りを放っているのです。
寒さが進み始める11月になると秋田のダリアは終了し、切花のダリアは暖地の生産者にリレーをします。宮崎県・福岡県・和歌山県・高知県等、鷲澤スピリットを持った生産者のダリアが文化を繋げてくれるのです。
ダリアのお手入れ方法
1. 花瓶をきれいに洗い、水は浅めにしましょう。
ダリアは水が汚れやすい花。切花鮮度保持剤を使うとバクテリアの繁殖を防ぎ花のエネルギー源となる糖分も含まれているので、きれいに開花します。
2. 余分な葉は取り除きましょう。
ダリアの葉は蒸散が激しいので、なるべく取り除き、花に水分がいきわたるようにすると、花持ちも良くなります。
3. 清潔なハサミで茎をカットしましょう。
水が汚れやすいので、こまめに切り戻しをして、新鮮な切り口を保ちます。
4. 空調や日光が直接あたる場所はさけて飾りましょう。
お肌と同じで空気が乾燥していると、花びらの水分が失われてしまいます。そんな時は、花の裏側から霧吹きで水分補給をしてください。
ダリア 基本情報
【属名】 キク科ダリア属
【原産地】 メキシコ グアテマラ
【開花時期】6月~11月
【花言葉】 華麗 優雅 感謝 移り気